ぞうさん

2014年2月28日

詩人のまど・みちおさんが今日、104歳でお亡くなりになりました。「ぞうさん」や「やぎさん ゆうびん」、 「一ねんせいになったら」「ふしぎなポケット」などユーモアあふれる童謡詩は歌い継がれ、子どもたちに愛されてきました。これからも日本人の子供たちの心を豊かにしてくれるものと思います。

 

 

ぞうさん ぞうさん おはながながいのね
そうよ かあさんも ながいのよ

 

ぞうさん ぞうさん だあれがすきなの
あのね かあさんが すきなのよ

 

 

色々な解釈があるようですが、子ぞうとの会話と考えるのが自然でしょう。

 

一般に、鼻が長いというのは誉め言葉ではありません。地上の生き物の中で鼻の長いものは決して多くはありません。人間も含めて全ての生物を並べてどの鼻が素敵か、コンテストを行った場合、ぞうの鼻が選ばれることはまず無いのではないかと思います。私たちの誰も長い鼻をほしいとは思わないでしょう。

 

子ぞうは「おはなが ながいのね」と言われたとき、その言葉をほめ言葉と受け取ったようです。自分に対する肯定感を持っていたことが分かります。「自分が自分であること」を喜んで生きていることがわかります。自分のことが好きでない人、自尊心の欠如した人は生きていくうえで色々と困難と遭遇すると言われています。一方、この子ぞうの伸び伸びとした自己肯定感はなんとも清清しいです。

 

さらに、子ぞうは「かあさんも ながいのよ」とお母さんが自慢です。大好きなお母さんの鼻が長いので、自分の鼻の長いのも自慢なのです。お母さんぞうと子ぞうの微笑ましい愛情感関係が目に浮かびます。自分のこの部分が母親に似ていることを悩む場合もあると思うのですが、子ぞうは似ていることを喜んでいます。突き抜けるような楽天さが心地よいです。

 

神様はこの地上に生き物を作られたとき、「神はこれを見て、良しとされた」と聖書に書かれています。地上の生きとし生けるものは全て素晴らしく、生きるに値するものです。まどさんも多くの詩の中で「命の大切さ、生きることの素晴らしさ」を謳ったと言われていますが、聖書の生命観と共通するものがあると思います。

 

「ぞうさん」という素晴らしい童謡を持っている日本人の子供たちは恵まれていると思います。長く歌い継がれて、子供たちの心をこれからも養ってくれることでしょう。また、大人である私たちも「自分が自分であることのすばらしさ」を感じながら、生きていきたいものです。