家族の愛が、人を強くする

2014年7月11日

配偶者や親から受ける愛情が豊かだと、人はストレスに対して強くなり、性格も安定することが、研究で明らかになりました。これは私たちが経験上すでに知っていることです。


カップル同士の愛情が、若年者の人格形成にプラスの効果があるということが、ドイツの研究により明らかにされました。街のいたるところで、信号待ちしているときなどに、手をつないで愛情を確かめあっているカップルを見かける。数週間後には気持ちの高ぶりは静まっていくかもしれないが、愛情は長い間、良い影響をもたらし続けます。


神経症は、仕事や人間関係などの過剰なストレスが原因となって起こりやすくなります。主として身体症状が前面に現われてきます。完璧主義の傾向が強く、無理をしたり、何かにつけ頑張りすぎるくらい頑張ってしまう人がなりやすいことは、皆さんご存知のとおりです。


神経症の人々は心配性で、不安になったりイライラしやすいという傾向があります。うつになりやすい、自分の生活に満足していない傾向があります。しかし今回の研究では、愛情の豊かな対人関係によって症状がやわらぎ、性格も安定してくることが示されました。

 

研究チームは、18~30歳の245組のカップルを9ヵ月間追跡調査し、3ヵ月毎に個別にインタビューをしました。参加者の神経症の程度を分析し、配偶者に対する満足度などとの関連を調べたのです。


神経症の人は、外部からの刺激に過敏になっていている場合が多い。例えば、ネガティブな出来事に強く反応したり、あいまいな事をポジティブまたは中立的に受けとることができずにいる傾向があります。しかし、恋人や配偶者がいて良好な関係を保っている人では、こうした傾向は時間とともに徐々に減少いくことがわかりました。


「パートナーができたことによるポジティブな経験や感情が、その人の個性を間接的に変えていきます。物事を悲観的にみるネガティブな思考や認識パターンが後退し、前向きに取り組もうという気持ちが引き出されます。愛は人生に自信をもって取り組む手助けとなる」と報告されています。この効果は男性だけでなく女性にもみられました。神経症的傾向のある人だけでなく、うつ病や不安障害に苦しむ人でも、愛情の豊かな配偶者がいると、症状をやわらげる可能性があるのです。


 

母親の愛情が成人してからのメンタルヘルスに影響


発育期においても、愛情が果たす役割は大きいと言えるでしょう。乳児期に受ける母親からの愛情が、成人後の人生に大きな影響をもたらすことが、米デューク大学の研究で明らかになりました。これも私たちが経験的に知っていることです。


生後1年未満の乳児期に、母親から受けた愛情が多ければ多いほど、成人後ストレス耐性がより強くなり、情緒不安定に陥りにくくなるという結果でした。


ロードアイランド州のデータをもとに、乳児期(8ヵ月頃)から成年期(平均34歳)の482人を対象に調査した研究チームは、母親と子供の相互作用に着目しました。母親が子供の感情と要求にどのくらい上手に応じるかを判定し、「愛情スコア」としてカウントした。さらに成人してからのメンタルヘルスとの関連を総合的に評価したのです。被験者の幼少期と青年期の記憶と情報に基づき、90項目からなる質問をし、その結果、乳児期に母親から受けた愛情や関心は、その後の人生において、多大な影響をもたらすことが判明しました。


母親の愛情を十分に受けた子供は、成人になったとき、積極的な人生観をもつようになり、情緒が安定し、社交上手な人間になる傾向がみられました。すべてのタイプのストレスに上手に対処でき、ストレスのレベルが有意に低くなったのです。乳児期に温かな愛情をもって子育てをすることが、その人が成人後してからも、良好なメンタルヘルスに影響するこは明白です。