幼稚園の大切さ

幼児は心が安定しており、環境を受け入れられる状態にあるとき、聞いたことをそのまま真似る天才となります。「子どもが小さければ小さいほど早く言葉を習得する」と言われていますが、心の安定がその前提となります。ところで、日本語環境だけで育った幼児に比べて、2・3歳から海外のナーサリーやキンダーに在籍していた帰国子女に、学齢期になってからの学習に問題が生じるケースが多々発生しているとのことです。

 

授業中ボーッとしている、じっとしていられない、他の子にちょっかいを出すなど、明らかに学習に取り組む姿勢が育っていない帰国子女が現れてきているのです。わからない言葉(第二言語)の中で聞き流す習慣がついてしまい、集中力や持続力を養う機会がなかったというのがその一因だと思われます。

 

子どもは拒否反応を起すと、ストレスから回避するために自分の殻に閉じこもり、自分の世界で遊ぶようになってしまいます。このような状態が長く続くと発達障害に陥ることもあります。できるだけ早く、母語が主な言語となる環境を整えてあげることが必要です。2年も3年も言葉の狭間を行き来する状態(ナーサリーやキンダーは英語、家でだけ日本語)を放置しておいた場合、子どもの健全な成長は運任せとなる可能性があります。

 

幼児期の集団とは、友達と一緒に遊ぶことの面白さや楽しさを体験し、順番を待ったり我慢したりするルールを知る場です。そして、その集団での体験や経験を通して、理解し表現できる言葉を備えていきます。第二言語の中では容易に習得できない子供の「育ち」の部分です。教育は「教える」と「育てる」という二つのことを行なう場ですが、子供が小さければ小さいほど「育てる」ということを大切にしなければなりません。「教える」に重点を置き過ぎると、子どもの心に歪が生じることは専門家も指摘しているところです。

 

能力が高いにもかかわらず、日本語も英語の習得も十分でないと、急成長する幼児期の心身の発達まで妨げてしまうことも考えられます。言葉は言葉だけに限らず、全ての成長の源であることを知らなければなりません。日本国内では英語だけで集団生活を実践している幼稚園・小学校・中学校があるようですが、第二言語のこと(「教える」)だけを考えたカリキュラムであり、人間としての成長を考慮したものではないと言わざるを得ません。

 

生まれたばかりの赤ん坊は、何語であれ胎児のときから耳にしている母語に敏感に反応するが、他の言葉には無反応であると、ある調査は発表していました。日本語で楽しい経験を繰り返すことが心身の健康な発達と意欲を促し思考力を育んでいきます。生き生き過ごす幼稚園での集団生活は、子どもたちの心身を安定させ、考える力を育て、母語の基盤を築き、そして将来第二言語を習得するしっかりした基礎を固めてくれるのです。

 

 

また、日本の子どもたちに関して次のような報告があります。

 

 

①川をプールのように四角に描く子、特に最近は丸く描く子も出てきています。

言葉はイメージを伝えるものです。お互いに抱いているイメージが異なる場合、話が通じません。大人の側でこの前提を意識せず見過ごしてしまうと、親子のコミュニケーションが図れたと思っていても、それは誤解であったことになります。これは由々しき事態です。

 

②「一緒」「違う」「いくつ」などの基本的な言葉がわからない。

子供の語彙の貧困さが深刻になっています。例えば、「どっち」「たくさん」「多い方」「少ない方」「反対」「足りない」「となり」「真ん中」「遠い」「近い」「上」「下」などの基本語。さらに「そこ」「それ」「ここ」「これ」などの指示代名詞はほとんどの子供が理解できません。教師が「ここを見て」と指で指しても、違う方向を見ている子供が三分の一はいます。「いくつ」と尋ねられると、自分の歳は答えられても、物の数に対応できないし、数と実数との対応ができない子も増えています。

 

③曜日のわからない子の増加

 

④人の話を聞くことができない。

教師が、「では何ページを開いて」と言っても、何人もの生徒が「何ページですか」と次々と尋ねてきます。これは子供の年齢が低い場合は、「言葉を理解できないこと」と「聞く姿勢がない」ことが原因です。小学生高学年からは主に「聞く姿勢がない」ことが原因です。また、教師が個人的に説明してあげると理解するが、集団に向かって説明すると聞けない子供が増えています。他人が自分のチャンネルに合わせてくれれば聞くが、他人のチャンネルには合わせることができないのです。幼稚園のうちに集団の中で人の話を聞く訓練ができていないと、小学校に上がってからも先生の言うことを聞けません。さらに放っておくと、中学生になっても「先生何ページですか」と何度も質問する生徒になってしまいます。結局これは子供の学習のみならず、人間関係を築く上で大きな支障となります。

 

⑤ドアノブを回せない。

最近は何でも便利になって手を使わないようになりました。お年寄りに便利な力の要らない道具や設備の開発。さらにセンサーの発達で、子供が近づくと水の出てくる蛇口もあります。これらは子供たちの能力を著しく低下させています。

改善策としては、絵本や童話を読む。それらを通して親子のコミュニケーションを行なう。友達と遊ばせる。自然に触れさせる。幅広い体験をさせ、言葉で語り合う。子供が興味を持ったら、時間を惜しまず後押しするなどです。

 

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幼児期の日本語教育がしっかりなされていないのではないかという疑問は以前からありましたが、かなり深刻になっているようです。乳幼児期に母語の基礎が出来上がります。日本語が中途半端なこの時期に、その発達を軽視し、外国語を覚えさせることに比重を置きすぎると、結局どちらも中途半端になってしまいます。、また、遊びを通して様々な体験を小さな子どもたちはしなければなりません。子どもたちの将来のために本校の幼稚部を上手に用いていただきたいと思います。

 

 

体験を通して育つものを大切に

  • 子どもたち一人一人が、神と人とに愛されている(尊くかけがえのない)存在であることを意識し、 幸福な生き方の基礎を築く手助けをします。
  • 幼い子どもたちは、生きる知恵を様々な体験を通して身につけていきます。 幼稚部では、「遊び」の中での他者との関わり、また子どもたちの興味・関心から生まれてくる「遊び」を大切にしています。
  • 幼稚部に通う子どもたちは、季節ごとの日本の行事を体験するだけではなく、日々の保育の中での集団生活を通して、日本の文化・習慣に親しみます。

バランスよく成長するために必要な5つの柱

  • 言葉: コミュニケーション能力を高める
  • 健康: 健康で安全な生活の仕方を身につける
  • 人間関係: 自立心や人との関わり方を学ぶ
  • 環境: 身近な生活環境に対する興味関心を養う
  • 表現: 豊かな創造性と表現力を養う

幼稚部が大切にしていること

幼稚部では、子どもたちが主体的に活き活きと遊び、活動し、生活することを通して、様々なことを学んで欲しいと願っています。
そのために大切にしていることは、
生活(必要を感じること)、
体験(挑戦すること)、
経験(繰り返し行うこと)、
興味(深めること)、
葛藤(考えること)です。
生活をする上で必要を感じることや、物事に興味感心を示すことは、意欲や子どもたちが自ら考えて学んでいく原動力につながります。
子どもたちが意欲的に取り組む時、「あれ?なんで?どうして?」と、子どもの中で葛藤がたくさん起こります。そこから子どもの学びが生まれてきます。
幼稚部では、子どもたちが主体的に学んでいくことができるように、保育のプログラムを組み立てています。

年中(4歳児) たんぽぽクラス

  • 4歳児のお子さんが参加しています。
  • 2017年度:2012年 4 月 2 日~2013年 4 月 1 日生まれ

登園日と時間

  • 週2日(月・水 または 火・木)午後2時20分-5時35分
    • 1学期前期のみ保育終了後に午後6時 35 分まで有料で託児サービスを設けます。
  •  1学期後期(夏期講座)時は 週5日、 午前8時45分~午後1時30分 (金曜は正午まで)
    • 夏期講座中の託児サービスはありません
  • 2 学期からは、①午後 2 時 20 分~5 時 35 分、②午後 3 時 20 分~6 時 35 分の保育時間から選択いただけます。

 

年長(5歳児) ひまわりクラス

  • 5歳児のお子さんが参加しています。
  • 2017年度:2011 年 4 月 2 日~2012 年 4 月 1 日生まれ

 

登園日と時間

  • 週2日(月・水 または 火・木)、 午後3時20分~午後6時35分
  •  1学期後期(夏期講座)時は 週5日、 午前8時45分~午後1時30分 (金曜は正午まで)